みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言
牛歩の遍歴 四十八歩目
スイスへ来て3ヶ月、C子からの贈り物を見るたびに遥か日本の事を考えてしまう。
いったん落ち着いたかのように思えたホームシック。
そんなある日、母から小荷物が届いた、中を開けてみるとお菓子やカップラーメン、着替えの服などと一緒に一通の手紙が添えられていた、その手紙には「言葉も通じない所でちゃんとやっているか、ご飯は充分にあるか、カップ麺を送るからお腹すいたらたべや、あれに乗ったらスイスへ行けるんやと飛行機を見てるで、早く帰ってくるのを待ってるで」など書き記されていた、その文に目を通すとしだいに目頭が熱くなり忘れかけていたホームシックが一気にあふれ出て来た記憶が蘇る。
その次の日曜日、たまには気晴らしをしないと気がめいってしまうと思い隣のルッツェルンの町に買い物に行くことにした、何しろここ数ヶ月何処にも行っていなかったからなぁ、
当日、仕事を早めに終え先輩が残しておいてくれたエンジン付自転車で駅まで走り電車で一駅のルッツェルンの町に着いた、数ヶ月前にKさんの後を追いかけながらこの駅で電車を乗り換えたのだが、今、もう一度確認しても錯覚にとらわれ気味だ。
ルッツェルンは古くから言われのある町で近辺では無いかなり大きい町でたいていの物はここでまかなう事ができる、今日はもう一つ目的があったのだ、Kさんが残していったラジカセの調子が悪いので新調しようと思ったからだ、とりあえず近くのスーパーと言うよりも百貨店みたいな所へ入り物色を始めた。