みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言
牛歩の遍歴 二十九歩目
おぉ、でっかいどう北海道やで、朝食を済ました後、みんなトラックに乗り込みまっすぐに伸びた一本の道路をひたすら走る、広がる草原、なんと気持ちの良いものだ、しばらくすると草地に到着、トラクターに草を梱包するベーラーが牽引されてあるその後ろに鉄板が繋がれてある、さすがに機械が大きい、「この鉄板は何するの」と聞くと、「まぁ、見てたらわかるよ」ってK氏はトラクターのエンジンをかける、ゴォォと煙をたてながら仕事が始まる、「おい、鉄板の上に乗れよ」と指示がでる、俺は慌てて鉄板に飛び乗ると次から次へと梱包された干草が出てくる、「それを鉄板に積んで並べよ」って、トラクターが加速を増す、ふり落とされないようにバランスをとりながら干草を積み上げていく。
トラクターが旋回その瞬間、「あっ」と思う間も無く積み上げた干草が崩れ鉄板の外へほりだされた「ちょっと、待って」大声で叫んだ、と同時にトラクターが停止した「あぁ、やってしもたわ」「ええから残った干草を持ってや」トラクターがジワットと前進する、うまく鉄板だけが抜けていく「なるほど、こねんなってんねや、よう考えてるな」感心したのもだ。
ようやく、干草の梱包も一段落した俺はもうホコリと汗でヘトヘトだ、所々に積まれた干草の山、次はその干草を柄の長いフォークに突き刺しトラックに積み込むのだ、慣れない俺は腕の力だけで積み込んだもので腕がパンパンに張ってしまい、K氏に見本を見せてもらうとさすがにプロの技で身体全体で弾力をつけて積み込んでいく、再度俺が見た感覚で弾力をつけるとうまくできた、少しずつ繰り返すたびにようやくなれてきたものだ、トラックに梱包7段積みまでいくと突き刺した干草を反動でほりあげなければならなくて、さすがにバテてしまった、トラックに山盛り積まれた干草を牛舎まで持って帰り、今度は小屋へおろす作業だ、もうクタクタや、まだ牛舎に入らねばならない、これほどハードな仕事を毎日こなしているここのみなさんには感動したものだ。
安易に考えて実習にきたものの1日で疲れがどっと押し寄せて来た、明日も同じ仕事の連続かと思うと「こりゃ、えらいとこに来たものだ」とふんどしを締めなおす覚悟でとりかからないと・・・反省をして眠りについたのだった。