みるく工房飛鳥 心のふるさと明日香って・・「ほっと・・」するよね 自然がいっぱい 言いあらわす事のできない 安堵感があるのは私だけ 疲れた時 むなしい時 かなしい時 たのしい時 ふり返れば、そこには いつも明日香がある
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m.asuka牛歩の遍歴 進めるところまで進みます。
みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言

牛歩の遍歴 二十七歩目
「日本海1号は真夜中の京都を後にしてひたすら闇夜の中を走り続ける、しばらくは雑談で賑わっていたが、そのうち言葉が少なくなり窓の外を見ていても真っ黒い景色がいやにむなしい気持ちにしいられる、ときたま駅の灯りが瞬間的に通り過ごす程度にしかない。
知らない間に眠りに入り込んでしまったようで、気がつけばあたりは明るい景色に変わっていた、何処の駅だったかもう忘れてしまったが「駅弁、買ってきたったで」とC子の声がした、やはり食い気ともなればちゃんと起きて買いに行くC子がなんともいじらしかった、列車のゴトゴトと単調な音と窓の外のはてしない田舎の風景が、延々と続くこの旅も何だかこれから先の研修の前触れみたいなもので、時間が止まっているような気がした。
昼頃だったか、あの当時は青函連絡船だったので、どねんして乗るねやろとみんなで話をしていたら、何の事は無い列車がそのまま船の中へ入って行くだけだった、
連絡線の甲板に出て、本土とのしばしのお別れをして、潮風に当たりながら遠くに見える函館の港が近づいて来るのを眺めていた、天気は良好、とても今まであの狭い列車の空間から開放されたすがすがしい気持ちになったのを記憶にある。
今から思えば、あの青函連絡船も姿を消したのがとても惜しいような気がする。
ながい、ながい列車の旅もいよいよ札幌でいったんストップ、C子との旅もここでお別れだ、「あとは、気をつけてね、無事帰ってきたらまた会おうね」って、相変わらずの軽さでC子は千歳空港へと列車を乗り継ぎ、我々は一路、帯広へと向かう、果てしなく広い荒野を列車が走る、見渡す限り地平線しか見えない、北海道のこの広さには今までいた狭苦しい所からの脱皮したような気がしたものだ。
夕刻だったか、やっと帯広についたもののあまりにも長時間だったので足腰が痛くてしびれていたものだった。
ここで向こうの農家の方が迎えにきてもらっている筈なのだが、分からない。
もう、あたりは真っ暗で途方にくれていた、「おい、電話しろよ」って友人の声にふと、我に返って「せや、電話しようぜ」って言っているうちに、こちらに近づいて来る人がいた「○○さんやね、」と言葉をかけられ、やれやれと一安心で力が抜けてしまった。

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