みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言
牛歩の遍歴 二十三歩目
官舎に引越して次の朝、「おい、飯、できてないぞ」の声で目を覚ます、タイマーをかけていたはずの炊飯器が作動していない、「今からだと授業に間に合わんしなあ、昨日の梅干食っておくか」有り合わせの昨日の残りを冷蔵庫からだし食卓に並べる、男3人これから先どうなるのやら、仕方なしに朝食をとり授業に出かけると言っても、朝の仕事は牛に餌をやり搾乳と掃除だけに行くだけなのだが・・
牛舎に行くともう仕事が始まっていた、各自分担の仕事を与えられ俺は以前から搾乳をしていたので乳搾りを任された。
ここではまだ、バケット式(搾った牛乳がバケツ型した容器に直接入る搾乳機)だったので1頭搾っては、牛乳缶に移さなければならなかったが頭数が10頭ほどだったのでさして苦にはならないほどだった。
昼が近づくにつれ、「飯、うまくできてるかな」「わからんな」ってまた、飯の心配。
12時になると急いで官舎に戻り釜の蓋を開けると、「おぉ、できてるやないか」ほっと一安心と思いきや、おかずあったっけと思い冷蔵庫を見ると無い、また梅干かとため息。
昼からの講習は、3人椅子を並べて先生が一人、これじゃサボルことも出来ず黙ってきいているしかない、2時頃になると眠気が差してくるうまい具合にはしからかわるがわる眠ってしまうのを発見した時には思わず苦笑いをしてしまった。
夕方、また牛の世話で牛舎に入る、やれやれで官舎に戻ってこられたのは6時を過ぎていた。
思わず座り込んでしまったのだけど、夕食の買い物にいかねばと車に乗り込み「いざ、買出し」あれこれと悩み買い込んで来たけれど、ほとんどがインスタントの物ばかりでその夜はカップメンを片手に飯を食った事を思い出す