みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言
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今朝、目を覚ますと明日香はうっすらと雪化粧・・
もうそろそろ「なごり雪」かな?まだ、早いような気がするが・・
そう言えば、今日はバレンタインだ。
期待して仕事に行くか・・・ |
牛歩の遍歴 十六歩目
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その日の朝早く、両親が牛舎へ仕事に行くのを見届け、身の回りの簡単な荷物をまとめ、バッグ一つで家をあとにした、3月の朝日が俺の背中を押すように照らされ新緑間近の香久山がすがすがしく見えた。何故か新天地への憧れと反面、不安と情けなさがこみ上げて来たのを記憶している。昼過ぎ頃、ようやく運送屋さんの寮についた。緊張している俺を見て寮母さんが優しく迎えてくれた。また後ほどにも出てくると思うがこの寮母さんには色々と心のケアーをしてくれたほんとうに暖かくて、ここで働いている男所帯の面倒を一手に引き受けているひとです。とりあえず、4人部屋へ案内された。なんと男の生活と言うのはこんなものかと驚かされた。「明日は早いから今日はゆっくりしなさい」って寮母さんは出て行った。身の回りを片付けるともう夕日が降りようとしている。 |
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翌朝、なんだか充分に休めなかったが、食堂へ降りていくと「おはよう」と寮母さんの元気な挨拶に気がめいっていたのが急に晴れたのを思い出す。この運送屋さんの荷物はほんど手積の手降ろしの仕事で俺は10t車の助手、初めての仕事で体力には自信があったけれど、さすがに10tとは言葉では簡単なのだがかなりの量だ。一台積み込むのに、もうバテてしまった。運転手の兄ちゃんはやはりタフなもので積み込みが終わるとすぐに目的地に向かって走り出す。今回はパスタを福井まで輸送だ、「疲れたやろ後ろで寝とり」って運転手のAさんが言ってくれた、座席の後ろには仮眠できるだけのスペースがあり、俺は言葉に甘えちょっとくつろぐことにした。無事、福井まで到着し荷物を降ろしその足でまた次の荷物を積み込みに現場に向かう。毎日がこの繰り返しで、会社へ戻るのが週に一回か二回ほどしかない、その時に「お帰り」って笑顔で優しく迎えてくれるのがやはり寮母さんだった。 |