みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言
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もう、8月も終わろうとしている。 あの、猛暑もしだいに忘れ去られ季節の移り変わりが早くなったように思われる。
今日は朝から雨、秋雨前線の影響らしい。今年は梅雨が無かったからこれから雨が多くなるのだろうか、 暑いのもイヤだけど、雨のうっとうしいのもイヤです。 人間って我がままで勝手なもの、
でも、勝手のままいかないのが自然や世間かな。 |
牛歩の遍歴 六歩目
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お盆も、「あっ」と言う間に過ぎ、夏休み最後の楽しみは何と言っても、愛宕(あたご)祭りだ。 この村でも「風日待」(かぜひまち)と言って、これから台風の時期を迎え民家や作物に風の災害がないように、村の人々がお重を作りお宮さんに集まって神主さんにお払いをしてもらい、祈祷するのだ、
小学生も高学年になった俺も、この時ばかりは、旨いものが食べられるのが、唯一の楽しみだった、朝から、お寿司のネタの干瓢や高野豆腐の甘辛い煮炊きの匂いが家中に広がる。
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お重には、その時期の果物や野菜、惣菜、などが次々と詰められて行く、 昼過ぎには、「風日待」の合図の鐘の音が村中を駆け回る、夕刻に村の人々が各々に自慢のお重を持って集まって来る。子供たちもはしゃぎながらその後を追って駆け回る、
いよいよ、神主さんの祈祷が始まり、静寂な時が流れ、それが終わるとようやく持ってきたお重を開け、そこで食するのだ、大人の人にはお神酒がそそがれ、今で言う宴会たけなわとなる。
一段落すると、お供えにされていた、団子(米の粉の餅)が運びこまれ、クライマックスの「ゴク巻き」が始まる、大きな桶に山積みにされた団子が次々にばら撒かれ、村の人々はこぞってこれを受け止める、俺は受けるのが苦手なので落ちてある団子拾い集め袋いっぱいになるまで入れたものだ、
家に帰ると、さっそく拾って来た団子を焼き、醤油をつけて食べたの思い出す、あの頃の俺には贅沢なオヤツだった。 夜には、兄と一緒に八木まで自転車で、愛宕祭りに出かけたのを思い出す、
色んな、露天商の店が並び、民家の横には、所々で工夫された「からくり人形」が訪れたひとの目を楽しませている、しかし、旨くできているなぁ〜って、その前にくぎ付けになっていたものだ、ふと、横を見ると今までいたはずの兄の姿が見えない、あちこち探しても見当たらない、「どねんしょう…」お金は兄が全部もっているし、とほうにくれて夜道を泣きながら自転車をこいで帰った、すると、兄はもう帰っており、今頃まで何しとったん、と罵られ、また兄弟喧嘩の始まってしまった。
翌日、夏休みもあと残り少なくなり、やりそこなった宿題の絵日記やドリルを見つめながら何から手をつけていいのやら、ため息ばかりが出る、とりあえず絵日記からと思い、開いて見るが、そんな以前の記憶があるものではない、天気やその日の出来事なんか見事にでたらめばかり書いたものだ、またドリルなんかは解かる所だけをして、ほとんど白紙の状態、今から思えばいかにルーズで集中力がなくいいかげん性格だったか、過去を振り返り現在の俺もまだ、そのなごりが消えていないのに気づく。
もう休みが終わろうとしているのに、我が子が楽しそうに遊んでいる、 宿題は終えたのだろうか、自由課題はもう出来たの、って聞いてみるか、 忙しさに感けて我が子との会話が無くなった事に反省さされる昨今だ。
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たわむれる 我が子を映し 夏休み
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